- Tomita Akihiro
記憶より記録 - KneeNoteの開発経緯
皆さん初めまして!KneeNote開発者のTomitaです。
本記事では、「なぜ私がKneeNoteを開発しようと思ったか」について、書き記したいと思います!
私自身、約10年前に滑膜性骨軟骨種を発症し、3度の手術を経て、今も慢性膝痛に悩まされています。(滑膜性骨軟骨種のこれまでの経過については、やや珍しい病気でネット上に患者さんの声も多くないので、別の記事で触れたいと思います。)
調子が良い時期もあったのですが、2年ほど前からまた膝の痛みに苦しむことが増えました。整形外科でMRI検査を受けたところ、医師からは「良いニュースは軟骨種が大きくなっている兆候はない。悪いニュースは外科的処置で対処できることはもうない。痛み止めも使いながら、うまく付き合ってください」と告げられました。
なんとかして膝痛のない生活に戻りたかった私は、Youtubeで膝痛関連の動画を見てストレッチしたり、膝痛に良いというサプリを試したり、運動したほうがいいのかと軽くランニングをしたり、と様々な方法を試しました。
しかし、どの方法が自分に効果があるのかわからない手探りの状態で、症状が改善することはありませんでした。思い悩んだ私は、膝痛専門で開業されている自由が丘の鈴木先生の門を叩きました。
膝痛専門整体院 京四郎 https://seitai-kyosiro.com/
鈴木先生には施術頂いたあと、複数のセルフケアを丁寧に教わり、「セルフケアを毎日行ってください。また三週間後に、改善したかどうか教えてください」と指導されました。
他の整体では「できれば毎週、少なくとも2週に一回来てください」と言われるだけで、セルフケアをここまで丁寧に教わったことはなく新鮮でした。
これをきっかけに「教わったどのセルフケアをやったか記録しておこう。ついでに痛みの程度も記録したり、サプリや運動も記録しよう」と軽い気持ちで、スプレッドシートに日々の記録を取るようになりました。
すると、自分の膝痛を改善させる因子、悪化させる因子、無関係な因子がだんだんとわかってきたのです。
記憶ベースだと、「サプリを飲んだ翌日は調子が良かった気がするけど、1週間経つと結局効果あったのかわからないなぁ」とぼんやりとしか振り返れません。
しかし、記録ベースだと、「セルフケアを継続していると傾向的に痛みは減っている。ランニングをすると悪化するが水泳は悪化させていないようだ」と振り返ることができました。
記録を付けることで、私の場合、次のことがわかりました。
休日のほうが平日より痛みが少ない。デスクワークで座りっぱなしが良くない。
大腿直筋と殿筋のストレッチを継続すると痛みが軽減するが、膝より下のストレッチはあまり効果がなさそう。
太ももの筋トレは痛みを悪化させるが、お尻の筋トレは痛みを軽減させる。
アルコールを飲むと、痛みが悪化する。
ランニングやスクワット動作は痛みを悪化させるが、水泳は悪化させない。
飲むサプリは効果がなさそうだが、一部塗り薬は効果あるかも。
さらに、痛みの変化やセルフケアの状況を鈴木先生に伝えることで、より適切なアドバイスをもらうことができました。
記録なしでは「調子はどうですか?」という質問に的確にこたえることは難しいと思います。
記録があれば、前回施術時からの痛みの変化やセルフケアの効果の度合いをうまく伝えられ、先生・治療家からよりよいアドバイスをもらえます。
手探りでなく記録に基づいて治療家とコミュニケーションをとり、わかってきた因子に沿ってセルフケアを継続したことで、2年前の「痛くて夜も眠れず、涙目で痛み止めを飲む」状況から、今では「痛み止めは月1-2回。膝痛が気にならない日も増えてきた」と、波はありながらも、症状を落ち着かせることが出来ています。
「慢性膝痛の持続的改善には、記録を取って、その記録に沿って治療やセルフケアを継続することが必要だ」と身をもって体感しました。
こうした実体験に基づき、一人でも多くの方に記録を付けて頂き、膝痛改善に役立ててもらいたいという想いで、KneeNoteの開発を決意しました。
スマホアプリ開発は初めてでしたが、約半年の開発・テスト期間を経て、6月末に公開することができました。
KneeNoteでは、日々の痛みレベルとセルフケア実施状況を簡単に記録頂け、「何をすると症状が改善するか」をデータをもとに判断することができます。
また、過去の推移や1カ月のサマリーなども作成できるため、通院されている先生・治療家の方に「最近どうですか?」と聞かれたとき、画面を見せながら症状をお伝えいただけます。
将来的には、慢性膝痛患者さんの日々の記録をもとに、本職であるデータサイエンティスト・機械学習エンジニアのスキルを活かして、一人一人の症状に合わせた膝痛改善アドバイスができるAIの開発にも取り組みたいと考えていますが、この野望についてはまた別の記事で語りたいと思います。
この記事を読まれた皆様にも、ぜひKneeNoteをお使いいただき、フィードバックを頂けると嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!